蔵前・イタリアン・居抜き物件成功事例
【蔵前2分 イタリアン居抜き物件】
◇ 住所: 東京都台東区蔵前2丁目
◇ 業態: イタリアン
◇ 階数: 1階
◇ 広さ: 13.13坪(43.14平米)
◇ 賃料坪単価: 18,000円
◇ 保証金: 8ヶ月
◇ 造作代金: 無し
【物件、立地、店舗スタイルの特徴】
◇ 立地:駅からは近いが住宅地で人通りは多くない 、飲食店が少なく普段使いできる飲食店需要はある
視認性:良 / 人通り:少ない
◇ 前の店舗業態:スケルトン
◇ 店舗営業スタイルは、イタリアン客単価高め
◇ 出店者は30代
それでは。本日は居抜き売却成功事例ということで、インタビューさせていただきます。
<本舗>
最初に飲食店に入ったきっかけは?いつから飲食店ですか?
<Aさん>
高校出たくらいですかね。バンドをやっていたんですけれど、ご飯が食べられなくて。まかないがついているので、バンドのかたわら居酒屋みたいなところで働いていました。
同じところにずっと長い時間働かなければいけなくて、それが若いころは嫌で、一回辞めたんです。
いろいろなところで仕事するような人材派遣で働いていたんですけど・・・。
<本舗>
東京ですか?
<Aさん>
千葉ですね。
千葉から始めて東京に移動もしましたけど、もともと飲食を経験していたこともあり、またやりたいなと。
バンドをやっていたので、飲食店も毎日ライブなんじゃないかなと思ったんです。
違う人が来て、ステージがあってという意味合いで。
それでまたちょっと戻ってみようかなという感じですね。
<本舗>
何年前の話ですか?
<Aさん>
15年くらい前です。
<本舗>
今おいくつなんですか?
<Aさん>
37です。
<本舗>
高校ぐらいでバンドを・・・。
<Aさん>
はい、3、4年やっていて。
<本舗>
それで並行しながら?
<Aさん>
はい、飲食やりながら派遣もやっていて。
<本舗>
1回飲食を離れて・・・?
<Aさん>
そうですね。
<本舗>
1回離れたことによってやりたいなと思う気持ちに?
<Aさん>
はい、そうですね。
<本舗>
その時からイタリアンですか?
<Aさん>
そうですね、ちょっと昔の話なので思い出しながら。
イタリアンが流行っていたんですかね、当時。
Jリーグが流行っていたりとか、ティラミスが流行っていたりとか。
<本舗>
流行ってました。パンナコッタとかですかね。
<Aさん>
そうですね。そういうところで興味があったんですかね。
1回食べに行ってみたんですよ、自分で。働くお店に。
そしたら、イカ墨のパスタとかジェノベーゼとか、当時僕がそんなもの知らなかったので、「なんだこれは、食べ物か」って思ってびっくりしたんですよね。
そういう色彩の豊かさというか。実際食べてみたらものすごくおいしい。
こんなの和食にはないし、初めて食べた、こういうのをやってみたい、作れるようになりたいということで15年前にイタリアンの門を叩いたという感じです。
<本舗>
それでずっとイタリアン?どれくらい働いているんですか?
<Aさん>
ここがオープンするまでずっと雇われだったので。ほぼ15年間雇われで。
<本舗>
1つのお店ですか?
<Aさん>
いいえ、1つのお店は長くても4年弱ぐらいですね。
<本舗>
辞めるきっかけってどういう感じなんですか?
<Aさん>
次のステップに行きたい、やらせてもらえるポジションにつきたい、当然お給料もあります。
というので、先輩のお店がオープンするよというときについて行って、2番手に上がったりとか。そういうことをしていましたね。
<本舗>
なんとなくイメージなんですが、飲食に限らず最終的には独立というのが1つの大きな目標なのかなと思うんですけど。
<Aさん>
僕はそうでした。
<本舗>
独立はどれくらい前から考えていたんですか?
<Aさん>
イタリアから帰ってきた時期ですね。
<本舗>
イタリアはいつからいつですか?
<Aさん>
4年前です。2011年から1年間。
<本舗>
イタリアで修業されていたんですか?
<Aさん>
はい。
<本舗>
向こうのお店に入って、ビザとか取れたんですか?
<Aさん>
今すごくビザは厳しいんですけれど、学生ビザで入れるっていう、力のある学校があったんですよ。イタリアの州が公認している。
だから学生ビザでも、研修生という感じでどこのレストランでも働けたんです。
なので不法滞在というわけでなく。学生ビザは今ほとんど働けないですけれども、州が公認しているということで1年間いれました。学生ビザで。
<本舗>
その時そこで修業されて、帰って来て独立を考えていた?
<Aさん>
そうですね、やっぱり10年ちょっと日本で修業してからイタリアに行ったんですが、自分の学んできたことがはたして本当のイタリア料理と比べてどうなんだろうとずっと疑問に思っていたんですよね。
向こうからしてみたら外人ですから。
それがイタリアに行ってみて、自分が教わってきたこと、やってきたことは間違いじゃなかった。イタリア人に認めてもらった。
もうこれだったら自信を持って自分の料理をお客さんに出せるよねっていうので、きちんとした独立。
今まで漠然とでしたから。始めたころから独立派というのを目標にしていましたけど、きちんとこれだったらできる、やれると思ったのはイタリアから帰ってきた2012年です。
<本舗>
2012年から考え始めて、実際独立されたのは去年?
<Aさん>
今年ですね。
<本舗>
それまでの準備はどんなことをされていたんですか?
<Aさん>
まずはお金を貯めるということですね。
お金を貯めながら、まだ勉強したいなという気持ちもあったので。
日本に帰って来てフランス料理に入ったりとか。
<本舗>
他の料理をやることによって・・・。
<Aさん>
イタリアで見たイタリア料理が、日本に帰って来たらイタリア料理じゃないんですよね。
日本のイタリア料理はイタリア料理じゃないんですよ。
こんなこと言ったらおこがましいかもしれないですが、すみません。
和食イタリアンみたいな。だったらフランス料理の方がフランスに忠実。
すごくヨーロッパの雰囲気を感じる。そういうのでフランス料理に入ったんですね。
肉の火入れの仕方とか、ソースの作り方とか、ものすごく勉強になりました。
そこはイタリア料理と違うなと感じれたので、良かったのかなと。
<本舗>
帰って来てフレンチでお金を貯めつつ。
<Aさん>
そうですね。フレンチやりながら、2013年の暮れごろに「シェフをしませんか?」という話をいただいたんですね。料理長。
その話を受けてフレンチをやめてまたイタリア料理に戻ってシェフを1年間しました。
原価計算とか日々の売り上げの管理とか経営的なことにも携わらせてもらったので、1年間の運営をこういう風にしていったらいいんだという経営もそこで学んで、独立。物件探しましょうと。
<本舗>
最初に2015年に独立しようと決めていたんですか?
<Aさん>
いえ、確実に決めていたわけじゃなくて、プライベートでもいろんなことがあって、今がチャンスなんじゃないかって。
一つは自分がシェフを務めていたお店が閉めることになったんです。
何店舗か経営している会社だったんですけれども、1個を売却、1個を手放すみたいな感じでどんどんなくなってきてしまって。
最終的にはその店も閉めざるを得ないという感じになって。
それで、きっかけにもう1回新しい所でシェフを探すか、年齢も年齢だし自分でやるかという選択肢にプラス、プライベートでもいろいろなことがあったので、これだったらそろそろ自分でやった方がいいんじゃないかと決意を固めたのが今年の1月。
<本舗>
独立前に不安に思うことはなかったですか?
<Aさん>
不安しかないです。今も。
<本舗>
ご家族とかに相談ってしました?
<Aさん>
相談というのは特に。逆に「早くやれば?」と妻には言われました。
「なんでいつまでも、もじもじしてるの、早くやればいいじゃん」みたいな。
<本舗>
いい奥さんですね。
<Aさん>
「じゃあ、いつやるの?」「今でしょ」みたいな。
<本舗>
いつご結婚されたんですか?
<Aさん>
6年前。
<本舗>
じゃあイタリアも一緒に行かれてたんですか?
<Aさん>
結婚して、置いてイタリアに行きました。
<本舗>
奥さんすごいですね。じゃあむしろ奥さんに応援されたみたいなところがありますね。
<Aさん>
そうですね、うじうじしていたところを引っぱたかれてという感じですね。
<本舗>
場所ってどうしてここにされたんですか?
<Aさん>
いろんなあれがあるんですが、まず最初に探していたのが人形町、浅草橋、馬喰町のエリアですね。
これからもっと人が増えていくだろうという。馬喰町とかのエリアもITの会社とかが増えてきているらしく、結構人が集まると聞いて。
それと家からも近い。その辺から探し始めたんですけれども、だんだんこっちの方がよくなってきて。
人形町いいなと思っていたんですが、やっぱり家賃が高い、空きもない。浅草橋も空きがない。ずっとこの沿線で探していたらたまたまここが空いたと。物件がなきゃ何もできないので。
あとイタリアに修業していたときに住んでいたところにそっくりなんです。川がすぐ後ろにあって、橋もすぐそこにあって。
<本舗>
イタリアのどこに住んでたんですか?
<Aさん>
コンテアモリアーノっていう、フィレンツェから海沿いのルッカ、ピサからまたさらにローカル線で山の方に。
<本舗>
海沿い?
<Aさん>
海も近いですね。山の上のほうまで行くと海も見えます。
海と山があって、海の風と山の風がちょうどぶつかる所。オリーブオイルが金賞を取ったこともある素敵な街です。
あともう一つは、1番最初に入ったイタリア料理店が両国なんですよね。
川挟んで向こう側なんですけど。そのころから休憩時間はそこを散歩したりとか。
お客さんが下町で人情味あふれるという感じを肌で感じていたので。そういうところはいいなあと思って。
<本舗>
馴染みのある所と言えば・・・。
<Aさん>
そうですね。
<本舗>
おうちも近いし、これからスカイツリーも。
<Aさん>
渋谷とか新宿とか、あっちのほうはお店がもうすでにいっぱいありますよね。
僕は地方出身なんで、こちらのイーストサイド東京を盛り上げたいという。向こうに負けたくないみたいな。
<本舗>
物件の予算とかっていくらぐらいで考えてました?
<Aさん>
その辺はだいたいだったと思うんですよね。
物件次第で変動。全部が1500万って最初は決めていたんです。
<本舗>
それって自己資金ですか?借入?
<Aさん>
借りました。国民政策金融公庫から。
その1500万の中で物件によって何を足して何を引いてみたいな計算はしていたと思うんですけれど。
<本舗>
立地選定の時は雰囲気とか今後の発展みたいなところだったと思うんですが、この物件を見たときって、どういうポイントで選ばれたんですか?
<Aさん>
こういうカウンターのお店が作りたかったんです。
仕事帰りにふらっと立ち寄れるようなお店で、パスタとワインを楽しんで帰ってもらう。
女性にも来てほしいってなった時に、道が広い、明るい、交番が近い、駅も近い。
女性が夜一人で来ても帰りが怖くない、心配がいらないというのがポイントですかね。
<本舗>
交番ポイントなんですね。
<Aさん>
安全というか防犯、道も広いし、明かりもついているし、交番も近くにある。結構安心なんじゃないかなと。
暗い道一本道でとぼとぼ帰らなきゃいけないとなったら怖い。夜だと特に。
<本舗>
知らない街とかだと特に。川沿いとかくらいですしね。
ここは大丈夫だと思うんですけど、暗くなっちゃったりするじゃないですか。
そういう防犯面とかで気を使って・・・。
<Aさん>
そうですね、いろんな物件を見て、ここはやっぱ夜怖いよねというようなところもあったので。
そういうところよりは明るくて、大きなカフェが2軒先にもあって、人は夜でもそれなりにいるから安心かなという感じで選びました。
<本舗>
川沿いが明るくていいですよね。
<Aさん>
昼はビルがないから空が広くて。すごく開放感があって。
<本舗>
川沿いっていうことは決めていたんですか?
<Aさん>
たまたまです。たまたまが、たまたま良い方向にまとまったというか。
<本舗>
ラッキーですね。
<Aさん>
ほんと、ラッキーしかないですよ。とんとん拍子で。
<本舗>
お店のコンセプトをうかがってもいいですか?
<Aさん>
手打ちパスタを楽しんでいただきたいです。手打ちに限らずパスタですね。
自分が修業してきて一番力を入れているなというのがパスタだと思うので、おいしいパスタを食べていただきたい。気軽に。
構えちゃうじゃないですか、「イタリアン行こうよ」となったら。
そうじゃなくて、自分が気軽に行けるようなお店を作りたいと思って。
パスタとワインだけだったら2500円とか。
あと、ワインは結構原価かけてやっているので。そういうのをカウンターでサクッと。
やっぱり、ライブだったと思っているので、その日の夜、「今日いい一日だったね、楽しかったね、また明日も頑張ろう」と1日の締めくくりを楽しい気分で終わってほしい。
そういう営業の仕方をしていきたいと思っています。
<本舗>
居抜き本舗を知ったきっかけは?
<Aさん>
紹介ですね。渋谷で5店舗持っている人がいるんですけれど、その方に相談したら、「紹介するよ」とファーストライズの和田さんを紹介していただいて。
<本舗>
営業マンの対応はどうでした?
<Aさん>
和田さんですか?完璧でした。というか、知らない事だらけじゃないですか、不動産に関する知識もないですし。
自分でインターネットで調べて、こういう物件が出たんだなとか情報としてはわかりますけど、実際それが裏でどうなっているかとかは、和田さんにお願いしますと。
<本舗>
今年に入って独立の覚悟を決めたという話だったんですが、そこからすぐ発掘して、とんとん拍子に決まっていった感じですか?それとも難航したんですか?
<Aさん>
ここは3月11日に出たんですね。それですぐ和田さんに電話して申し込みしてもらって、そこから3か月かかりました。
大家さんと打ち合わせとか、管理会社さんを通して3者面談とか。和田さんを交えて。
飲食店を想定されてなかったらしいんです。大家さんが上に住んでいるんですが。
だからごみとか調理の匂いとか、隣がマンションなので、害虫が出た場合どうするのかとか、そういった細かい話を3か月間ずーっと。
和田さんにもめんどくさいと言われましたね笑。
<本舗>
3か月って飲食店としては早い方じゃないですか?準備。
<Aさん>
和田さんは、2週間で決まる所は決まるって言っていました。
<本舗>
だからめんどくさいとか言ってたんですかね笑。
<Aさん>
3か月、こんなにかかることはそんなにないよと和田さんは言っていました笑。
<本舗>
オープンしてもう半年弱?
<Aさん>
1か月です。3月にこの物件を見つけて、6月の末にやっと契約できたんです。
そこから内装打ち合わせ、内装工事、9月オープン
<本舗>
1か月たってどうですか?
<Aさん>
明日で1か月。
<本舗>
おめでたいですね。
<Aさん>
楽しいですね。毎日。きついですけれど。
休みもないし休憩時間もないし、定休日は経理をしてて。体を休める暇はそんなにないですけれど、毎日楽しいですね。
お客さんと話しながら。カウンターなんで。
けっこう「厨房が厨房が」みたいなレストラン多いじゃないですか。
そういうところでやってきたので、お客さんと話しながら、お客さんから「ちょっとアレンジしてよ」というようなオーダーを受けてやってみたり。
メニューにないようなもの。そういうのを毎日やっているのは楽しいですね。
<本舗>
それがいいところですよね、お客さんとじかに話すって。
お客さんの好みとかもわかってきて、そして常連さんになってきて。
より広がりますよね。メニューにないメニューっていう。
じゃあこの1か月は苦労というより楽しい方が多いですか?
<Aさん>
そうですね、楽しくなければやってられないですね。雇われだったらやってられないですね。
<本舗>
大変すぎて?体的に?
<Aさん>
そうです。
<本舗>
何が一番大変ですか?
<Aさん>
今までは調理がメインだったんですけど、それプラス管理業務。最初は全然レジも合わなかったりして。
銀行行く時間ないとか。時間がないですね、やること多すぎて。
<本舗>
最後に、これから独立したいと思っている人にアドバイスを一言。
<Aさん>
やると決めたらやるしかない。そんな感じですね。
やるかやらないかも自分次第。やろうと思ったら、やるしかない、やりきるしかない。
そしたらたぶんできる。「まだお金ちょっと心配だし」とか「自分でやったら不安だし」と思っていても何も始まらない。やるって決めたらやらないと。
そうあって欲しいし、頑張ってほしい。
<本舗>
それもキャッチにしますね。
<Aさん>
大丈夫ですかね?「お前ががんばれよ」って言われそう。
<本舗>
ばっちりです。ありがとうございます。